アマチュア無線

 

広域災害にはアマチュア無線が有効
< アマチュア無線基地局の開設に必要な設備及び条件 >
1.ロケーションの良い場所を選ぶ(アンテナの設置場所に注意すること)
2.同軸ケーブルは”10D FB”クラスを使用し受信電波の減衰を小さくする
3.アンテナはGPアンテナ及び指向性アンテナの2種類を使う
GPアンテナは全長7.2mのX700H、利得は13.0dbj(430)9.3dbi(144)を使用する
指向性アンテナはA430S10R(10エレ)、A430S15R(15エレ)を使用する
4.アンテナ切替(2接点)
5.受信用プリアンプ
6.安定化電源30A(他の無線機にも電力を供給するため)20Wのアマチュア無線機であれば最低7Aは必要です(10Wのアマチュア無線機であれば最低4.5Aは必要)バッテリー運用の場合は10W送信がよい
7.アマチュア無線機(144・430のデュアル機)出力は最大20W 4アマが使用できる無線機とする
8.無線機の出力は通常10Wとし、相手局に混信がある場合は20Wに変更する

混信の有無の判断は相手局のRSレポートによる35Wや50Wの出力は基地局の送信エリアを広げる反面、
受信エリアが変化しないために相手局がハンディー無線機を使用していると受信できなくなります
送信エリアが受信エリアより広くなった為です

注意点は
基地局から100km送信できる場合、受信エリアが120kmは必要です(送信<受信)とする
ハンディー無線機のアンテナ利得が低いこと
送信や受信感度があまり良くない
出力は5Wしか出ないこと

アマチュア無線機(144・430のデュアルハンディー機)出力は最大5W

基地局で対応することは可能です
ちなみに、35Wや50Wの無線機は3アマ以上しか使用できない
ハンディー無線機は通常2W運用が適している(5W運用は無線機が熱をもつため短時間しか使用できない)
最悪時にはパワーダウン及び送信停止(受信は可能)となる
無線機が冷えれば送信可能となるが多用すると無線機の故障原因となる
付属のアンテナは利得が低いために受信感度が悪いし飛びも悪いと理解してください

アマチュア無線基地局は電波の送信エリア以上に受信
エリアを広げ弱電波を受信するように心がける(ハイパワーは必要以上に出さない)

一斉に送信されたFM電波は受信機側では無音になります
つまり、パイルアップしたときに備えること
RSレポートが59であれば56,53,51,41はいつまでも交信できません
基地局に送信してくる電波を一つ一つ確認すること
相手局がハンディー無線機の場合は特に注意が必要である(携帯電話の様に1対1で話すのと違います)

アマチュア無線機(固定機)HF、144、430の周波数に対応

アマチュア無線機(ハンディー機)
右側:430の周波数に対応
中央:144、430の周波数に対応
左側:144の周波数に対応

SWR計で無線機設備のチェックをする

< パイルアップの対応方法 >
パイルアップ状態の場合は
1、交信局を生年月日で分ける
例:1月から2月生まれの方 1月1日から1月15日生まれの方など
2、コールサインと用件、無線機の種類を受信する
例:JA1-ABC、救急、ハンディー機
例:JA1-ABC、火災、モービル機
例:JA1-ABC、道路、固定機
例:JA1-ABC、物資、ハンディー機
例:JA1-ABC、その他、モービル機
※詳しい用件は後にすること
QRZ?QRZ?こちらはJA1-ABC だれかこちらを呼んでいますか?
受信します・・・・10秒間受信する(これの繰り返し)
パイルアップ対応の練習が必要です(複数の中継局と協力すると良い)
交信局はハンディー機、モービル機、固定機の順
用件は救急、火災、道路、物資、その他の順

GPアンテナ及びモービルアンテナをハンディー無線機に接続すると良い
指向性アンテナに接続すると送信及び受信が良くなる(2Wでも十分に交信可能)
10Wでの交信記録は100kmで、RSレポートは41でした
EME無線局との交信では6Wで70km、RSレポートは59でした
EME無線局は送信・受信の無線設備が高性能のため比較になりません
月面反射で交信する最上級の無線局ですからアンテナも一般のアマチュア無線局とは異なり最高レベルです
受信用のプリアンプや送信用のパワーブースタも装備しています

アマチュア無線機は音声以外に映像やFAX、パケット通信も可能です
無線機にはGPSが組み込まれているものもあり相手局の位置も特定できます
また、気象衛星のデータを読み込み表示も可能です

< 430MH帯ハンディー無線機 >
1)430MH帯ハンディー無線機です。最大で5Wの出力があります(連続使用は3Wぐらいで)
 無線機が加熱して送信出力が保護回路により低下します(相手の声は聞こえるが自分の声が届かない)
 30分ほど使用を停止すれば復帰します。また通話可能になります
 基地局として使用する場合はモービル機が良いでしょう

2)430MH帯ハンディー無線機に八木アンテナを接続します

3)430MH帯ハンディー無線機に八木アンテナを接続するには変換コネクターが必要です

4)1 八木アンテナ作成図面
2000円ほどで作れます。省電力で遠くまで電波が飛びます
自作の得意な方は一度挑戦してみては・・・
注)給電部は手の持つ本体とは絶縁してください
(r lot 、RAは本体とは絶縁すること)
(クリックすると画像が大きくなります)

4)2 八木アンテナ作成図面
(クリックすると画像が大きくなります)

ハンディー無線機と八木アンテナの間に電波の減衰器を接続すると電波の発信元を探知できます
電波の減衰器はFOXハントなどにも使います 約1000円ほどで作れます
実際に違法電波発信局の探知に使いました 実験済みです
5)1 ハンディー無線機と八木アンテナの間に電波の減衰器を接続する

5)2 電波の減衰器


アマチュア無線機の電波は省電力でも遠くまで飛ばすことができます
周波数や電波形式を変更するだけで福島県と沖縄県の間で交信可能です
電波が飛ばないとか受信できないというのは無線機設備のレベルが低いことになります
平地では10wの無線機で100km先の無線局と交信することができます
無線局の移動運用の経験も必要かと思います
地震災害時には基地局の無線機設備のレベルの向上に努め、交信する時はマナーを守って下さい
アマチュア無線機を使用するには免許とコールサインが必要です
コールサインは開局の許可がもらえると与えられるものです(例『JA1-ABC』)

災害時のCQステーションネットワーク運用マニュアル

はじめに
CQステーションネットワークは 航空管制システムを参考に作られています
航空管制は高度な情報共有化が不可欠な業務です 6人の航空管制官の無線誘導により、安全かつスピーディーに航空機の離陸や着陸誘導を行っています
そして、6人の航空管制官は担当業務がそれぞれ決まっているため自分の業務が終了すると ハンドオフ(管制移管)により担当業務を移管します

航空管制の業務ほどの高度な無線技術は要求されませんが、無線機により安全を確保する意味で、アマチュア無線を活用し災害時に協力できないかと考えました
1)目的

災害時には多くの情報が行き交います 現在では通信手段がいろいろありますが、いざという時に役立つのがアマチュア無線です
アマチュア無線機(ハンディー機・モービル機・固定機)は東海地区には数多く出回っていて災害時にはとても役に立つのではないかと思います
地域や組織の違いに関わらず 困っている人を助けるためのアマチュア無線の活用方法を推進するものです
行政機関が情報ネットワークを構築するまでの間に いろいろな情報を収集して各部署への伝達や交信の記録を保存することを目的とします
活動期間はおおむね7日とします(ただし行政機関の要請があれば活動期間を延長することができます)

2) CQステーションネットワークの構築

CQステーションネットワークはキー局とサブ局で構築され 構築所要時間は約2時間とします
使用周波数は433.000付近とする 433.500付近は使用を控える
災害時にはキー局はCQステーションネットワークの構築を開始してサブ局を10局集め その際サブ局どうしのRSレポートも確認します
(キー局1人 サブ局10人の合計11人のCQステーションネットワークが構築されます)
同様に4組のCQステーションネットワークの構築を開始します(キー局が4人が集まらない場合は、サブ局より選出)
このようにしてキー局5人、サブ局50人、使用周波数は5個の巨大なCQステーションネットワークが構築されます
クラブ局に属さないメンバーによるネットワークです
キー局はお互いに協力し合い、情報の共有を最優先にします(サブ局とも情報の共有をします)
CQステーションネットワークを構築中に緊急連絡を受信した場合は 行政機関に連絡を取るように努力します
場合によっては他のキー局にも協力を要請します
特に人命に関わる情報は速やかに行政機関に緊急連絡情報を送ってください

3) 5人のキー局と担当業務

  キー局1) 救急 ・ 火災
  キー局2) 水 ・ 食料 ・ 毛布
  キー局3) 生き埋め情報
  キー局4) 道路の異常情報
  キー局5) 物資輸送

4) サブ局の役割

サブ局はキー局をサポートします  またサブ局はキー局の代理を勤めることもあります
サブ局は周囲の弱電波に注意をはらいながら 必要に応じて情報を収集してキー局に連絡します

5) CQステーションネットワークでの情報収集開始

CQステーションネットワークが構築されれば「こちらはキー局の〇〇2△△△です 只今、緊急情報を受信中です」と交信を開始します
受信情報の内容は以下のものとする。
 1.報連絡者(コールサインまたはフルネーム)
 2.避難場所の住所(DVモードでGPS情報が分かれば送ってもらう)
 3.避難場所の名称
 4.無線機の種類(ハンディー機・モービル機・固定機)
 5.無線機の出力(W)とRSレポート及び予備バッテリーの有無
 6.用件の分類(A救急・火災 B水・食料・毛布 C生き埋め情報 D道路の異常 E物資輸送)
 7.用件の内容
 8.情報を受信した年月日と時間
 9.受信の担当者名(コールサインまたはフルネーム)
10.行政機関との交信連絡、年月日と時間
11.行政機関の交信担当者名(コールサインまたはフルネーム)
12.情報連絡者への連絡、年月日と時間

※注意1)クラブのコールサインがあってもできるだけ個人のコールサインまたはフルネームを使用すること
 (情報元が後で特定できなくなるため)

6) 交信妨害された場合の対処方法(無変調送信による交信妨害)

 1.キー局はGPアンテナからビームアンテナに切り替えます(反射波を受信する)
 2.発信源に近いサブ局に、情報の受信をサポートしてもらいます
 3.キー局はサブ局にビームアンテナを向けて情報を受信します
 4.交信妨害対策として、15エレスタックのビームアンテナを準備して置くと良いです
 5.キー局は情報連絡者にビームアンテナを使うか、サブ局に送受信のサポートをしてもらいます
  6. パイルアップの対応方法
   1-パイルアップ宣言
   2-生年月日の月ごとにコールサインまたはフルネームを送信してもらうこと
    用件の種類と無線機の種類も送ってもらうこと
   3-リストアップが終了したら用件の種類ごとに交信相手の順番を決める
     人命に関わる緊急性が高い用件が多い場合は、他のキー局に交信を依頼する
    パイルアップした交信相手には必ず順番を送信すること
    自分の番が来るまで電源をOFFにしてもらうためである

7) 各市町村や行政機関より情報伝達の依頼があった場合

 依頼があれば対応します
 他のキー局にも各市町村や行政機関より情報伝達の依頼があったことを連絡します

8) 電源の確保

 電源確保では、ソーラー発電が電力供給や騒音の面で優れています
 雨が続くと、バックアップが必要になります
 そこで、当局は20Wの太陽光発電機を2台使用しています
 まずはそれぞれのバッテリーに1台づつ接続して充電状態にします
  一台のバッテリーを使用する時は
  ★晴れの時は
   出力電力:1~10W
   入力電力:20W
   常時充電されている状態です
  ★曇りの時は
   出力電力:1~10W
   入力電力:10W
   常時充電されている状態です
   昨年度に実験済みです
  ★雨天の時は
   出力電力:1~10W
   入力電力:5W以下
   常時充電不足の状態です
  ただし出力電力が1Wであれば、充電されている状態です
  必要に応じて2台目の充電済みのバッテリーでバックアップします
  当局は、最悪の状態を考えて他に2台(雨天用)の予備バッテリーがあります
  1台の無線機に合計4台のバッテリーを装備するとよい
  原則、出力1W運用が多いと思いますので 昼夜ともに電力は確保できると思います

9)騒音対策

無線機からの音声は指向性の高い外部スピ-カー及びヘッドホーンを使用します
ソーラー発電での電源確保は騒音の面でも優れています

10) 人命優先の活動

CQステーションネットワークの運用マニュアルに記載していない項目は、人命最優先にしてその場で考えましょう
ケース by ケースとして行動します
アマチュア無線局のため各自の自由を束縛してはいけません
あくまでもボランティアです

 

東日本大震災の際 総務省からJARLへの要請
「被災地の通信確保のためのアマチュア局の積極的活用について」

2011年3月11日に起こった東日本大震災の際、JARLには総務省から被災地の通信確保のためのアマチュア局の積極活用について3月13日付けで協力要請がありました
非常災害に際して、被災地近辺に所在するJARL会員に対して善意による協力を要請されたものです


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