Q&A 貯水槽周囲

Q:国は貯水槽を災害時に使うという考え方がなかったのですか

A:国が災害時の給水活動に使用するように決めているのは、水道事業体の管理する水源・配水地・給水車及び防災用給水タンクなどです
一方、各貯水槽は個人が所有する施設のため国が直接指導することができません
ただし、各市町村の水道課によっては災害時に貯水槽を使っても問題がないと考えるところもあります
詳しくは各市町村の水道課にお問い合わせ下さい

Q:地震災害時に浴槽の水が貯水槽に逆流し、その水を飲むことがありますか

A:ユニットバスに付いている逆流防止弁の故障が原因で貯水槽に逆流した風呂水を飲んでしまう恐れがあるそうです
近年、洗濯用の水としてや防災目的で風呂水を溜めて置くことが多くなっています
地震災害時に伴う断水や水道本管の工事に伴う断水、貯水槽の清掃に伴う断水には注意が必要かと思われます
給水設備の逆流防止弁については平成9年に基準が見直されています

Q:トイレの水が貯水槽に逆流し、その水を飲むことがありますか

A:タンクレストイレに付いている逆流防止弁の故障が原因で貯水槽に逆流したトイレの水を飲んでしまう恐れがあるそうです
逆流防止弁の基準が見直された平成9年以降にはいろいろな給水設備が開発されました
タンクレストイレもこの時期に造られました 旧型のタンクレストイレは逆流防止弁が突然故障します
洗浄ノズルが便器の底部に設置してあり(便器の水が溜まっているところ)その水が水道管に逆流するのです
近年、日和見感染症を引き起こす微生物のクリプトスポリジウムやジアルジアが全国に広まっているため注意が必要かと思われます
地震災害時に伴う断水や水道本管の工事に伴う断水、貯水槽の清掃に伴う断水には十分に注意して下さい
クリプトスポリジウムやジアルジアについては厚生労働省のホームページを参照して下さい

Q:クリプトスポリジウムはどのような微生物ですか

A:<特徴>
1.少量の固体数でも下痢症を引き起こす原虫
2.水中では非常に硬い殻を持つオーシストの形で存在する
3.オーシストは3%の遊離残留塩素濃度にも抵抗性を示す
4.水道水レベルの塩素消毒では不活化できない

<消毒方法>
1.加熱、乾燥、冷凍には弱い
2.沸騰中では1分以上で死滅する
3.常温で1~4日の乾燥で感染力を失う
4.60℃以上か-20℃以下では30分で感染力を失う

Q:貯水槽の周囲にはどのような街灯を設置したら良いですか

A:街灯は夏になると虫がたくさん集まるため水銀灯よりナトリウム灯がいいでしょう
または、街灯を5m以上貯水槽から離れた場所に設置すると良い

Q:貯水槽の周囲に殺虫剤や除草剤等の農薬を散布しても良いですか

A:貯水槽の周囲には殺虫剤や除草剤等の農薬を散布しない方が良いでしょう
周囲には上水道の給水配管が地中に埋設してあります
給水配管に水漏れ等が発生した場合は逆流してくる恐れがあります
飲み水の安全のためにも散布は控えたほうが良いでしょう
貯水槽の周囲5mは衛生的に管理すること

Q:貯水槽の周囲にはアスベストは使用されていますか

A:貯水槽の周囲やポンプ室の壁に防音・断熱材として使用していることもあります
公共施設はアスベスト検査を実施していますが 民間施設は検査をしていません
検査が有料ということがあって100%安全確認した訳ではありません
未確認施設が多いのも事実です
アスベストが使用されているか分からない場合には 地震災害時は防塵マスクを使用して作業して下さい
市町村の管理する水道本管にもアスベスト管を使用している地域もあります
水道管からのアスベスト侵入を防ぐためにも 地震災害時は貯水槽に給水するバルブを閉めて下さい

Q:貯水槽の周囲はどれだけの空間をとれば良いですか

A : 貯水槽は上部と底部は100cm以上、側面は60cm以上を目安にして下さい
貯水槽は六面点検ができるようにして下さい
修理・点検ができる空間を作ることが重要です

Q:貯水槽の周囲にはゴミ回収所を設置しても良いですか

A : 貯水槽の周囲5m以内は設置しない方が良いでしょう
どうしても設置しなければならない場合は、ゴミ収集日以外はゴミを出さずに衛生的に管理して下さい
特にハエやゴキブリの発生には注意して下さい

Q:オーバーフロー管と水抜き管の排水口空間は何cm必要ですか

A : 排水口空間は配管の管径に関係なく15cm以上必要です
排水口空間が十分無いと排水溝からの悪臭やハエやゴキブリ、ネズミ等が侵入してくる恐れがあります
また、排水口空間が15cm以上あると、地震災害時には水抜き管が飲料水の給水バルブになります
オーバーフロー管と水抜き管は個別に配管してください
オーバーフロー管には防虫網が必要です
水抜き管には防虫網はいりません