Q&A クロバネキノコバエ

クロバネキノコバエの大量発生について

近年、クロバネキノコバエが春と秋に大量発生することがあります
網戸の網を通り抜けるほど小さいため網戸の効果が無く、知らないうちに民家に侵入してくるため発見した人は驚くことが多いのですが 今のところクロバネキノコバエは人を刺すなどの被害を及ぼすことはありません

  クロバネキノコバエの特徴

体長:1~2mm
体色:黒色か暗褐色
羽 :有り

  生態

1.気温が上昇することにより大量発生することがあります
2.発生条件は気温30℃、湿度70%程度と思われます
3.あまり高温過ぎるとすぐに死んでしまいます
4.アルミ板や板床など表面温度の低い所を好みます
5.白色や黄色などの明るい色のものに引き寄せられるようです
6.雨が降った翌日が晴れると多く発生します
7.夜明けから午前10時頃にかけて最も多く発生します
8.水分を適度に含んだ腐葉土などのある場所(野山、畑、植木鉢等)に産卵し幼虫、蛹を経て20日程度で成虫になります
9.成虫の寿命は雄で4~10日、雌で4日前後と言われています

  発生時期

4月~6月及び9月~11月

 人への影響

1. 人を刺したりすることはなく直接被害を及ぼすことはありません
2. 大量発生することからも不快害虫として扱われています
3. 食品取り扱い施設などは製品中に混入しないよう注意が必要です

  対策

1. 朝方は窓を閉めドアや窓の隙間を塞ぐなど隙間対策をとる
2. 網戸に残留性の高い殺虫スプレーを噴霧する
3. 屋外に扇風機を置いて進入経路となる窓やドアに成虫が近寄らないように横や下から風を送る
4. 屋内の換気扇を使用する場合は窓やドアを閉め切ると屋内の気圧が低くなることで成虫がドアや窓の隙間から吸い込まれることがあるため 大量発生している時間帯での換気扇の使用には注意が必要です
5.発生源となりやすい庭の花壇やプランターはできるだけ風通しが良い状態に保ってください
6. 忌避剤を含む虫除け剤を進入が多い箇所に設置する
7. 網戸の外で蚊取り線香を焚く
8. 窓の外の下あたりに捕虫紙を設置する

 クロバネキノコバエの過去の発生状況

大量発生地域

静岡県熱海市  : 平成19年
愛知県豊橋市  : 平成22年、23年
愛知県岡崎市  : 平成23年
京都府宇治市  : 平成23年
広島県広島市  : 平成24年
愛知県豊田市  : 平成23年~25年
岐阜県多治見市 : 平成23年~26年
岡山県岡山市  : 平成26年

  まとめ

クロバネキノコバエの情報は京都市、広島市、多治見市のホームページから引用させていただきました
発生源の特定や集団飛来した原因も不明で 現時点でも安定した駆除方法が確立されていません 駆除機器の管理方法や駆除にかかる予算に問題があるようです

< 観察記録 >
平成28年6月29日(木) 
天気 前日:雨 当日:曇り空 湿度高い 西からの弱い風
観測地点 岐阜県美濃市の公園内
午前9~10時 20匹ほどのクロバネキノコバエが作業服に付着
(作業服の色 緑かかったベージュ)
足元や胸や袖、顔の付近まで飛んでおり 耳の中に入った職員もいて、とても不愉快
今回観測された場所から10mほど離れだけでいない(意外に行動範囲は狭い?)
白い車の風下に飛んでいる 機械油入りのペットボトルを持ち歩いていたところ、ペットボトルに付いていた油膜にたくさん付着
白色の板に鉱物油の油膜を付けるだけでクロバネキノコバエは捕獲できる
午前10時過ぎ いつの間にかいなくなる

クロバネキノコバエの発生源?草刈後の腐葉土かも
公園内は3週間前より草刈が実施され腐葉土あり
(近くの河川敷も同じ時期に草刈 腐葉土あり)

観測された場所 西側に河川があり上昇気流が発生しやすい
クロバネキノコバエはこの上昇気流により公園内の吹き溜まりに飛ばされた?
公園内を歩き回っても1箇所しか確認できなかった

平成28年7月2日(水)早朝 前日・当日共に晴れ
岐阜県美濃加茂市 今年初めて観測 アパートの2階
白いものが好きだという情報を聞き、その夜は黒地のカーテンのみにして窓を開けて就寝
残念ながら翌日 部屋の奥の方まで侵入を確認 吹き溜まりで集まって死んでいる感じ
不愉快なので翌日は朝8時まで窓を閉めエアコンで過ごす
朝8時に窓を開放 11時頃室内を確認したところ 大量ではないものの部屋への侵入を確認

平成30年6月23日(土)早朝は時々雨 前日は晴れ
岐阜県岐阜市 今年初めての観測 一軒家の玄関
午前中は換気扇を停止した。
玄関の外には扇風機を設置して風圧で吹き飛ばした。
ハエ取り紙を吊り下げて飛んでるハエを補足した。


クロバネキノコバエの発生実験及び飛んでくる条件を分析してみた。
個人的な意見として、以下のようにまとめてみた。

<クロバネキノコバエの発生実験>
草を刈って透明なビニール袋に入れて1ヵ月ほど放置した。
草は枯れて小さなハエが発生していた。
ビニール袋の口は雨水が入るほどの開口部があり、成虫のハエはここから侵入したのだろう。
開けると中から小さなハエが飛び出してた。
小さなハエの正体は、クロバネキノコバエだった。

<近年の環境変化>
近年は草刈りの替わりに、除草剤を散布することが多くなった。
しばらくすると枯草になり放置すると腐葉土となる。(回収しないため)
以前の草刈り機による草刈り作業は、刈った草を回収する。(腐葉土ができにくい)
多治見市の夏は全国で一番熱いとして有名である。
熱い理由は南西からの熱風と思われる。

発生源は南西の広範囲な地域の腐葉土が関係していると思われる。
クロバネキノコバエの吹き飛ばされる通り道に、多治見市があるのではないかと思います。
クロバネキノコバエは岐阜市の金華山にもいました。
数もかなり飛んでいました。
車により風が遮る場所に多く飛んでいたように思えました。
集めればかなりの量になると思います。

近くで大量発生ではなく、寄せ集められて飛んでくるのではないかと思います。
付近に発生源がないのは、飛ばされて来ていると考えれば納得します。
各地域での風向きを調べる必要があります。
低気圧が通過した後に飛んで来るのは上昇気流によるものかもしれないからです。

<対策案>
1、玄関の外に扇風機を設置してハエを吹き飛ばす。
  人が出入りするために必要です。
2、玄関にハエ取り紙を吊り下げる。(飛んでいるハエの補足)
3、外気取入れ用の換気扇を窓に取り付ける。
  外側にはハエの侵入できないフィルターを付ける。取り付けた窓は密閉すること。
4、午前中は通常の換気扇は停止すること。
5、家の中をプラスの圧力にすること。
6、家の中から外に向けて空気が移動しているか確認すること。
  隙間から侵入しようとするハエは、外に吹き飛ばされます。

この考えは、病院内で伝染病患者の病原菌を外部に漏らさないように部屋の気圧を下げます。
この反対がハエを侵入させないように部屋の気圧を上げます。
室内の空気の圧力でハエは屋外に飛ばされます。
家全体を密閉しなくても空気の圧力で侵入を阻止できます。

これはあくまでも個人的な見解であり、さらに観察する必要があります。

当サイトでは今後も継続して調査、研究を行い新たな情報があれば随時公表していきたいと思います